おはこんばんちは!
3peaceの記事をクリックして頂きありがとうございます!
家に居る時間が多いい時、皆さんは何をして過ごしてますか?
私は映画が好きなので、こんな時だからこそ普段観ないような作品など観てます。
今回観た映画は夏目漱石による短編小説『夢十夜』を映画化した『ユメ十夜』です。この作品は映画化不可能とされてきた幻想小説に、日本を代表する10人の監督が挑んだ作品です。オムニバス形式になっていて、全部で10話にわかれています。
出演者には阿部サダヲ、松山ケンイチ、小泉今日子など、個性的な俳優陣の数々!!
夢だけにどこか不思議でありえなくて、ちょっぴり怖い所が面白いこの作品を、それぞれの監督がどう料理するか楽しみですね!
Contents
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映画『ユメ十夜』作品情報
2007年公開の『ユメ十夜』は、文豪・夏目漱石の短編集「夢十夜」を映画化したオムニバス・ムービーです。
この映画は10人の監督により無声映画、CG、アクションなど多彩な手法を取り入れて夏目漱石の世界を表現した、見応えのある作品となっています。
監督には「呪怨」の清水崇、「ゆれる」の西川美和、「犬神家の一族」の市川昆、「ウルトラマン」の実相寺昭雄など独特の世界観が印象的な豪華メンバーの面々!それぞれの腕の見せどころですね。
この作品を見るとわかりますが、「この作品が理解されるには100年もの年月がかかるだろう」と夏目漱石も自身で語っていたくらい様々な解釈が飛び交い、想像力を掻き立てられます!
キャストとあらすじをザックリと
プロローグ・エピローグの女学生役 -戸田恵梨香
プロローグの先生役-藤田宗久
『第一夜』
監督:実相寺昭雄
●ツグミ役-小泉今日子
金魚が好きな百聞の妻。
●百閒役-松尾スズキ
小説家。
《あらすじ》
夏目漱石の門下生だった内田百閒の夢の話になっています。
ある日、妻のツグミは金魚鉢を割ってしまいます。ツグミが百閒に「あなたと一緒になってどの位になりました?」と尋ねると、時計が逆回転します。すると、働いていた若い娘が「時間が来たのでお暇をいただきます」と挨拶し 百閒と二人だと怖いと去って行きました。
ツグミは「もう百年待っていてくれますか?それじゃあ私は死にます。出目金と一緒に埋めてください」と言い残し、死んでしまいました。最後に「時間が逆に回っているよ」と金魚が喋りだし、百閒が「百年はもう、来ていたんだな」と横たわり・・・。
『第二夜』
監督:市川崑
●男役-うじきつよし
悟りを開く事を目標にしていたが、なかなか悟れないで和尚にツッコまれる。
●和尚役-中村梅之助
度々現れては男を見守る存在。
《あらすじ》
夜中に男が行灯の明かりをチェックしに行くと、和尚(おしょう)が座っていました。
「お前は参禅に来たのだろう。いつまでも悟れぬ所を見ると、お前は侍ではなかろう!」と話しだし、男は「時計が次の刻を打つ前にきっと悟ってみせる!しかし悟れぬ場合は死のう。」と決心しました。
その間和尚は障子を破り覗いたり、酒を飲んだりしました。
結局悟れなかった男は死のうとしますが、刀が刺さりません!
頭を抱える男に和尚は「それでいいのだ」と伝えました。
『第三夜』
監督:清水崇
●夏目漱石役-堀部圭亮
●夏目鏡子役-香椎由宇
漱石の妻。昔お地蔵さんを壊してしまい、一人目の子を亡くし自殺未遂を図る。
《あらすじ》
漱石の妻は一度流産し、二度目の妊娠でノイローゼになった事があるそう。
妻は子供の頃、7体目のお地蔵さんの首を落としてしまい、一度目の子の時に、その夢ばかり見ていたのです。
漱石は田んぼで目が潰れた息子をあやしていましたが、妻の言っていたお地蔵さんの所に誘導されます。
「お前が俺を殺したのは今から28年前だったね」と子供に言われ、漱石は昔13歳の自分を殺した事を思い出しました。そこで夢から覚めます。
実際に漱石の6人目の子供は無事生まれ、7人目は1歳になって原因不明で急死してるという事実が!?
『第四夜』
監督:清水厚
●夏目漱石役-山本耕史
●日向はるか役-菅野莉央
漱石が忘れていた子供時代の友達
《あらすじ》
漱石は講演の依頼を受け、バスである街に向かいます。
差出人の名前を見た町民が、「その子は昔神隠しにあい、どの家の子も全部居なくなった」と伝えました。
降りたバス停は停留所名と違う場所・・・そこは昔漱石が治療の為訪れた町だとか!?
手品師のおじさんの所に子供が集まっていて、後を追うとそれは行方不明のビラに載っていた子供達で、なんと漱石が昔遊んでいた友達です!病気で海に行けない漱石の為に、子供達がきれいな貝殻を探しに行き、そこに飛行機が墜落し事故にあったのです。
駅に戻ると駅員が「目が覚めると忘れちゃうんですよね夢って。せめて覚えててあげなくちゃ。忘れたい事であっても」と伝える・・・。
『第五夜』
監督:豊島圭介
●真砂子役-市川実日子
一人目の夫と子供を事故で亡くした過去を隠している。
●庄太郎役-大倉孝二
真砂子の夫。
《あらすじ》
夜、真砂子の家の電話が鳴る。
「夜が明けて鳥が鳴くまで待つ」とメッセージが!
真砂子は馬に乗り、今の夫・庄太郎を探します。すると包帯ぐるぐる巻きの妖怪が追いかけてきます!
煙が上がっている森に入ると、車が一台事故っていました。なんと車の中から出て来たのは真砂子でした!真砂子の最初の夫の息子は息を引き取ってしまう。しかしそれは昔の自分だったのです。そこへ向かっていた庄太郎もそれを見てしまいます。
そして夢から覚めた真砂子が帰ってきた庄太郎と話していると、さっきの妖怪が横に座りました。
真砂子が「いいでしょ?これも私なの」と言うと庄太郎は「いいね」と答え、自分の横にも妖怪が座っています。「いいだろ?」と庄太郎も言って…。
『第六夜』
監督:松尾スズキ
●わたし役-阿部サダヲ
運慶には少し劣る彫刻家。
●運慶役-TOZAWA
才能ある彫刻家。
《あらすじ》
運慶が仁王像を彫るという噂を聞き、「わたし」は見物に行くことにします。するとゴーグルにブーツ、髪は金髪で未来的な格好をした運慶が登場!!そしてロボットダンスみたいな踊りを披露し、大きな切り株に斧を刺し、ノミでも刺すともう仁王像が出て来ました。
「彫ってねえじゃねえか!」とわたしは思いながら、自分もやってみると、木彫りの熊が出て来ます。結局彫る人間のサイズに合ったものしか埋まっていないのだ。
わたしは「これで運慶が今の今まで生きている理由もほぼわかった罠」と納得。
『第七夜』
監督:天野喜孝と河原真明
●ソウセキ役(声)-sascha
生き辛さを抱え悩んでいる。
●ウツロ役(声)-秀島史香
ソウセキに唯一話しかけた少女。
《あらすじ》
ソウセキは大船に乗っていました。
「この船はどこへむかっているのか?」と大男に聞いても答えてくれません。
そこへウツロという少女がやって来て、知り合います。
ウツロは「ここはなんか苦しい」と言うとある部屋の扉を開けます。
そこはパーティー会場で、ウツロはそこでピアノを弾いています。ソウセキは居場所を見つけられない自分に悩んでいました。
そして海に身投げします。
すると女性の声で「何が起こるのか一歩を踏み出してみると、ここは深く黒い海。囚われたままの自分を開放し無限の彼方へ堕ちていく」という声が。
その時、波の中から真っ赤で巨大な魚が天高く飛び出して行きました。
『第八夜』
監督:山下敦弘
●夏目漱石役-藤岡弘
●正造役-藤岡弘
男の子(ミツ)の祖父。
《あらすじ》
ある日、男の子が田んぼで巨大な白蛇の様な生き物を拾って来ます。
母が「死んだらどうするの」と叱りつけます。
そこへおじいちゃん(正造)が帰ってきて、2段ベッドの上にあがると、犬のまぼろしを見ます。そして枕元の肉まんを一口食べて「ごちそうさま」と言うと眠りました。
『第九夜』
監督:西川美和
●母役-緒川たまき
小さな子供がいて、戦地に行くのを反対している。
●父役-ピエール瀧
赤紙が届き、妻と子を残して戦地に行く。
《あらすじ》
唯一、初めから最後まで「自分の目で見た光景ではない」夢の話
父が戦地に行ったので、母が息子をつれて神社にお百度参りをしに行きます。息子は柱に縛り付けられてしまいました。仕方なく息子は神社の扉を開けてみます。すると戦地にいる父がこちらを見て微笑んでいました。
2回目に見た時は、父は女性と遊んでいました。息子は母を呼び、神社の鈴によじのぼりますが、落っこちてしまいます。父は倒れて死んでいました。
夜が明けて、母はやっと我に返り、息子の紐をほどいて一緒に帰りました。
「こんな悲しい話を、夢の中で母から聞いた」という言葉で語られるこのエピソードは、読者を霧に包まれたような不確かな世界に閉じ込めます。
『第十夜』
監督:山口雄大
●庄太郎役-松山ケンイチ
どの女性にも分け隔てなく接するが、裏では醜い女性を殺している。
●よし乃役-本上まなみ
美しい見た目の裏には豚の化物が潜んでいる。
《あらすじ》
庄太郎は隣町から女性が会いに来るほどのイケメンでした。が、ブサイクな女性が許せず、裏で殺して埋めていました。
ある日庄太郎は、よし乃という美女と知り合い、村を出てよし乃の豚丼屋さんに招かれます。食べた後、丼から殺した女性が出て来て庄太郎は吐きそうになります!その後作り方を見せられます。
材料はなんと人間だったのです!
よし乃は「私の本当の姿、見て下さる?」と言うと醜い豚に変身しました。
戦いでボロボロになって町に帰った庄太郎は「どうやら迎えが来たようだ」と倒れますが、息を引き取ることなく、138歳まで生き延び、世界初の宇宙飛行士になりました。
見どころ
まず夢なので理屈抜きに楽しむのが良いと思いました。
ウルトラマンでお馴染みの実相寺監督の、ちょっと手作り感のある演出も懐古的で面白く、第二夜のモノクロに字幕だけも昔の映画みたいで新鮮でした。
第三夜はお地蔵さんの祟りがホラーテイストでゾッとします。
第四夜では友達の行方不明の原因がわかり、第五夜は夫婦でお互い知らなかった一面がある事がわかり、なんかここら辺で気付かなかったトラウマが解消されてスッキリします。
第六夜はあの運慶がダンスをしながら仁王像を彫る、斬新な物語!
第七夜の海は、人生を表しているようでメッセージ性があります。
第八夜は一番理解するのに難しく感じました。大蛇のような生物が印象的です。
こういう状況は、皆一度は経験があるのではないでしょうか。
子供の頃、姉が子猫を拾ってきて怒られていたのを思い出しました。
第九夜は母がお百度参りをしているうちに、息子が戦地にいるお父さんの状況を見てしまいますが、見せてはいけないもののオンパレード。
第十夜はブサイク嫌いなイケメンが豚に成敗される、世のブサイクに寄り添った、思いやり溢れる作品でした。
感想・まとめ
なんだか夏目漱石の思い出と、頭の中にあるものをデトックスしたような作品だなーと思いました。
漱石が理想と現実に悩んでいる一面も感じ取れましたし、第六夜は人間の器の話はもちろんのこと、人生たまに意外な事もあるよね〜と教えてくれているような気がします。
そういえばこんな話を聞いたことがあります。
友達が子供を生む前に、娘にそっくりな顔の肉まん(人形焼みたい状態)を、飛行機で大事に運んでいる夢を見た事があったそうです。
第八夜みたいに最初わけがわかりませんでしたが、髪の毛が生えて同じ髪型になった時にはビックリでしたね〜
あの肉まんにそっくりだったのです。夢ってそういう力もあったのかーと脱帽でした!
「ユメ十夜」は色んな監督の作品が詰め込まれていて、福袋みたいで面白かったです!
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